◇下げ幅2番目5.4%
18日に国土交通省が発表した10年公示地価(1月1日現在)で、道内では統計を取り始めた72年以来、住宅地、商業地ともに初めて変動率上昇地点がなくなり、道内全体では92年以降19年連続の下落に。全用途での下落率は5?4%となり、75年の8?2%に次ぐ過去2番目に大きい下げ幅となった。道総合政策部は「世界的な金融危機の深刻化や景気後退で需要が減少したため」と分析している。
道内では99市町1466地点で算定され、このうち住宅地905地点、商業地339地点が対象になった。【鈴木勝一】
■商業地
札幌市は、09年に続きすべての区で平均変動率が下落。市全体の下落率は7?7%。区別では(1)中央区(下落幅11?3%)(2)南区(同7?3%)(3)東区(同6?9%)が大きい。道は「特に都心部や大通地区で需要減が顕著。2けたの下落地点もみられる」と話す。
道全体では平均変動率7?1%の減少で前年の5?4%より下落率が拡大。需要低迷から商業地の下落は2年連続となった。札幌市では不動産投資が低下したことから、都心部や地下鉄沿線など利便性の高い地域を中心にマンション?ビル用地需要が鈍り全地点で下落。地方主要都市では、中心商業地が郊外型大型店との競合から引き続き下落した。
■住宅地
札幌市では都心部や地下鉄沿線のマンション?アパート需要が減少。郊外でも買い控えがみられ、平均変動率は前年の3?4%から5?2%に下落率が拡大した。道内全体では4?8%の下落。地方主要都市でも下落率は拡大傾向にある。
前年は伊達市と後志管内倶知安町の計6地点が上昇していたが、道内の住宅地の上昇地点が初めて「ゼロ」になった。
◇5地点とも横ばい??前年、住宅地で上昇の伊達
温暖な気候で「北の湘南」と言われる伊達市。高齢者らの移住が多く、前年は住宅地の全13地点のうち5地点が上昇したものの、今回は5地点ともに横ばいになった。伊達市の不動産業「ランディック」の片岡雄也社長(53)は「リーマン?ショック以降の景気悪化で所得が減り、土地の購入希望価格帯が700万?800万円から600万?700万円台に下がっている」と指摘する一方、「供給過剰とはみていない」と述べ、需要は堅調という見方だ。
一方、伊達市の坂本宅建?坂本敏明社長(62)は「上昇しなければ、横ばいでも下がっているというのが業界のとらえ方。(伊達市土地開発)公社などが盛んに土地を分譲しており、供給過剰の面がある。今後は伊達市も下落していくのではないか」と指摘した。
◇倶知安4地点、下落に転じる
オーストラリアなど外国資本の別荘やコンドミニアム建設が多かった後志管内倶知安町は、前年に上昇していた1地点も下落に転じ、町内の全4地点すべてで下落した。外国人客向けコンドミニアムの建設?販売などを手がける「北海道トラックス」は「08?09年度は売買や観光客の動きが鈍かった。昨年8月以降は他国の景気も上向き、現在は07年度程度に回復している。アジア圏からの新たな需要もある」とし、すでに回復基調にあるという認識を示した。【新庄順一、坂井友子】
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◇公示価格の上位5地点◇
<住宅地> 価格 変動率
(1)札幌市中央区大通西28?2?5 20万 ▼5.7
(2)同 南15条西6?1?1 13万5000 ▼6.9
(3)同 北1条西22?3?25 13万1000 ▼5.8
(4)同 南4条西23?2?21 13万 ▼5.8
(5)同 北区北15条西2?2?10 12万8000 ▼5.2
<商業地>
(1)札幌市中央区南1条西4?1?1外 270万 ▼14.3
(4丁目プラザ)
(2)同 北4条西4?1?7外 245万 ▼10.9
(札幌日興ビル)
(3)同 北1条西3?3?22 142万 ▼14.5
(札幌東京海上日動ビル)
(4)同 大通西6?6?1 120万 ▼17.2
(北海道医師会館)
(5)同 北区北7条西4?1?2外 85万 ▼6.1
(札幌丸増ビル)
◇地価下落率の上位5地点◇
<住宅地> 価格 変動率
(1)札幌市南区簾舞6条1?3?25 1万 300 ▼15.6
(2)同 石山3条6?3?27 2万7000 ▼15.1
(3)同 石山2条3?6?11 2万7500 ▼14.9
(4)同 真駒内332?443 2万1000 ▼14.3
(5)同 藤野1条6?10?2 1万6000 ▼13.5
<商業地>
(1)留萌市錦町3?1?1 3万8000 ▼21.6
(2)札幌市中央区大通西6?6?1 120万 ▼17.2
(3)函館市本町32?13 29万8000 ▼16.5
(4)紋別市本町2?2?12 2万4500 ▼15.5
(5)函館市若松町20?1 17万2000 ▼15.3
◇道内主要都市の変動率と平均価格◇
<住宅地>
変動率 平均価格
札幌 ▼5.2 6万3100
函館 ▼5.3 4万9000
小樽 ▼8.3 2万 200
旭川 ▼7.4 2万4500
釧路 ▼5.3 2万1000
帯広 ▼5.3 2万7300
北見 ▼2.7 1万7800
苫小牧 ▼3.9 2万2400
江別 ▼3.3 2万9500
<商業地>
札幌 ▼7.7 19万5200
函館 ▼7.1 8万7200
小樽 ▼7.6 5万7500
旭川 ▼7.9 6万4400
釧路 ▼4.6 4万5800
帯広 ▼5.9 5万7900
北見 ▼7.1 5万 200
苫小牧 ▼4.6 4万3700
江別 ▼3.9 4万1000
※価格は1平方メートル当たり、単位は円。変動率は%、▼はマイナス
3月19日朝刊
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引用元:信長の野望 総合サイト
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